24日後半

HOTEL MIRAMAREのおじいちゃんがピアジオ・アペで船着場まで迎えに来てくれていた。荷物を載せて荷台に乗る。他の3人の観光客と相乗りして、KUBO-Cは助手席へ。助手席も一応あるのだ。3分程で到着。ストロンボリッキオが見える海岸が正面に見える。砂のビーチではなく赤と黒火山岩のビーチ。長い年月をかけて海で削られ石が丸くなっている。波が荒々しく怒号をあげている。波の音と共にゴロゴロと石が転がる低く鈍い音もする。ホテルでチェックインを済ませた後、荷物を置いて散歩。レモンの木が生い茂る路地を歩き、街の中心に位置する教会へ。教会はお祈りの時間だったので入るのは遠慮しておいた。広場が前にあり、リストランテや登山グッズが帰るお店がある。しばらく街の景色を眺め方角と地理感覚を掴もうとする。KUBO-Cは登山グッズのお店でトーチライトを購入。もう1つはホテルで貸してもらった。

ホテルの前から撮影。右上の黒い雲は火山からの煙。

海岸

教会前の広場からの景色

一旦ホテルに戻り準備をする。これから夕ごはんに向かう。ホテルから1時間程トレッキングをしてレストランに向かうのだ。レストランはL'OSSERVATORIO / ”展望台”という名前で村から遠く離れたところに位置している。ここはその名の通り、火山の噴火を眺めながら食事ができるのだ。そのレストランを目指すため懐中電灯を購入したのであった。夕方18時頃にホテルを出発。街の道を抜け火山岩で舗装された路地が山道に変わる。左手に火山、右手に海、景色はあまり変わらないようだが飽きが来ない。山袖に植生する植物がとても多様で、コレはなんだろうと毎回2人で覗きこんでは見たことない植物であるなと相槌を打ち写真に収めたりする。そうこうする内に日没の時間になり、太陽が海の向こうに沈むのを眺める。すると山の袖からぬっと満月が顔を出した。大きい満月で2人して驚いた。辺りが薄暗くなりはじめ、そろそろ懐中電灯をつけようかと思ったその時、物凄い爆発音がしたので火山を見ると山の頂上あたりから真っ赤なマグマが噴き上げているのが見えた。びっくりして恐れおののいた。生まれて初めて観るマグマはとても明るく鮮やかであった。暗闇の中で赤いマグマが山肌を流れ落ちて山の輪郭を描いている。しばらくすると熱が冷却されマグマの光は消えてなくなるようだ。


植物の色が綺麗だ。

[:W640]
なんという植物かな、


また噴火だ。


ずいぶんと遠くまでやってきた


しばらく夕日を眺める


太陽が沈むと満月が顔を出す

爆発を目の当たりにした所から数分のところに、ピッツァリア・L'OSSERVATORIOを発見。外でも中でも食事とれるようになっているので、迷わず外を選び火山の目の前に構える。オランダからやってきた夫婦のおじさんの方と立ち話、火山一般の話や日本旅行阿蘇山に行った時の話、おじさんが買ったばかりのNIKON D800と超望遠レンズの話をしているところにふたたび爆発。二人共瞬時に身体が動き僕はD80で、おじさんはD800でマグマを捉える。しかし2人共写真がぼけて、あははと笑う。

メニューと火山の両方を観ながらだとちっとも進まない。集中してメニューを決める。チーズとオリーブ、生ハム、サラミなどのアンティパストをシェア、パスタはストロンボリのリングイネと、イカスミパスタがお薦めだよと言われたのでそのまま従い、最後にピザを注文した。食事を楽しみながら火山が噴火するのを眺めるという初めての体験をした。パスタがテーブルに並んだ頃にはもはや真っ暗で殆ど見えない。ロウソク1つでは足りず懐中電灯を当てて何の料理かを確かめた。ほとんど見えなかったけれども、両方共抜群に美味しいパスタだった。ストロンボリのリングイネは特に毎日でも食べたくなる、コクがあってさっぱりで美味しいトマトパスタだった。海老の出汁とトマトの甘味、ケッパーの酸味、色んな調味料やらのバランスが最高に良かった。食事中は静寂そのもので、何人かいた人達も何も話さず、ただ火山を眺めるだけ。風や波の音、虫の声すらも聞こえなかった。食器とナイフ・フォークが触れる音と15分に1回程度の大爆発音だけ。


L'OSSERVATORIOのテラスに到着!


綺麗に撮影成功。


綺麗に撮影成功、山の形がマグマで明確になる。


暗いけどパスタ。


満月とマグマ。

満月は山の裾からでてきて、ますます明るくなった(ような気がする)写真で撮影したら長時間露光とはいっても太陽かと思い違いするほどに明るかった。懐中電灯は実はいらなかった。21時頃、コーヒーを飲んで下山した。帰りは30分で帰れた。写真では撮れなかったが、月明かりで照らされた穏やかな地中海とストロンボリ火山は青白く輝いてとても美しかった。ホテルに帰った後はシャワーを浴びすぐに寝た。