ARTHUR J. T. FUNERAL - アーサー J. T. お葬式

3月19日を最後にブログの更新が途絶えてしまって、あっという間に1ヶ月か過ぎてしまった。仕事はそれほど忙しくないものの、日常生活が忙し過ぎて更新する暇と体力がなかった。3月20日に起こったこと今から思い出して記事を書くのは不可能に近いので、もう取り戻せない間が空いてしまった。それはまあいいとして、今日は記憶に残しておいた方がいい経験をしたので、記事にする。

<<<<<

朝7時過ぎに目覚め、8時過ぎに起床。SNちゃんも起きたので、一緒に着替えをして、朝食を取る。僕は9時半より仕事、本日は家から。メール確認、SMと連絡を取り合い、1CSプロジェクトの修正をする。クライアントからの依頼で微修正をしてほしいとのことである。面積表、図面、レポートをアップデートし、11時45分SMにPDFのリンクを送信。本日の仕事はここまで。

<<<<<

ARTHUR J. T. お葬式

お隣さんのARTHURが3月30日、亡くなった。85歳。誕生日の3日後に亡くなった。早朝に救急車が来ていて、KUBO-Cの携帯にも連絡するメッセージが届いていた。土曜日の朝、外に出ていたら、ARTHURの奥さんのVALが歩いていたので、声をかけた。救急車のことで大丈夫か聞いたら、泣いていた。その時ARTHURに何かあったと気がついた。しばらくして、 KUBO-Cの携帯に、ARTHURが亡くなったと連絡が入った。

ARTHURとVALはお隣さんに住む老夫婦。僕たちが引っ越して来てから、ずっとお付き合いしていて、SNちゃんとYKTくんのことを気にかけてくれている。クリスマスやイースターには2人のためにいつもプレゼントを用意してくれる。今年のイースター、VALはARTHURが亡くなった次の日にイースターエッグのチョコレートをSNちゃんとYKTのために持って来てくれた。4人で出迎えたら、VALは涙が出てあっという間だったといった。ある日、KUBO-CとSNちゃんが外に出ると、ARTHURが家の前の手すりにぶら下がっていて、妊婦さんだった KUBO-CとSNちゃんが助けてあげた。VALがコロナで大変だった時は KUBO-Cがお茶を持って行ってあげたりした。SNちゃんはARTHURが庭で素っ裸になって日向ぼっこしていると、おじいちゃんスッポンポンだといってた。ある時は、4人でVALとARTHURのリビングでお話をしていたら、2人の結婚60年を祝うカードがROYAL FAMILYから届いたと見せてくれたりした。色々と思い出がある、それほど親しくしていた。SNちゃんとYKTくんからしたらヒイおじいちゃんおばあちゃん的である。

4月19日、12時。仕事を終えてスーツに着替える。NURSERYにいくSNちゃんを車で送っていく。帰ってくると、ARTHURが乗った霊柩車が家の前に停車するところだった。黒い服を着た家族が参列しており、僕とKUBO-C、YKTくんも出棺を見送った。12時45分頃、先週買った黒いネクタイをつけて、ARHUTRのお葬式に出席するため家を出た。KUBO-CとYKTくんは行く予定だったけれども、KUBO-Cが熱があり体調が万全でないので、僕一人行くことにした。

車で10分のところにあるCREMATORIUM/火葬場へ。棺が担ぎ込まれるところに参列する。葬儀屋さんの女性の司会で式が進む。ARTHURの人生、彼の温和なひととなりを女性が語る。好きだった音楽が流れたり、ARTHURが好きだった詩が詠まれたり、家族との思い出話やおもしろ話で場が少し和む。最後にARTHURが好きだったポエムの1つ、DEATH IS NOTHING AT ALLという詩が読まれた。ヘンリー・スコット・ホランド(Henry Scott Holland、1847年–1918年)は、イギリスの聖職者、神学者、作家。

Death is nothing at all.
It does not count.
I have only slipped away into the next room.
Nothing has happened.

Everything remains exactly as it was.
I am I, and you are you,
and the old life that we lived so fondly together is untouched, unchanged.
Whatever we were to each other, that we are still.

Call me by the old familiar name.
Speak of me in the easy way which you always used.
Put no difference into your tone.
Wear no forced air of solemnity or sorrow.

Laugh as we always laughed at the little jokes that we enjoyed together.
Play, smile, think of me, pray for me.
Let my name be ever the household word that it always was.
Let it be spoken without an effort, without the ghost of a shadow upon it.

Life means all that it ever meant.
It is the same as it ever was.
There is absolute and unbroken continuity.
What is this death but a negligible accident?

Why should I be out of mind because I am out of sight?
I am but waiting for you, for an interval,
somewhere very near,
just round the corner.

All is well.

あまり宗教色がないなとは思っていたけれど、「主の祈り」(The Lord's Prayer)というキリスト教における有名な祈りを参列した人みなで読んだ。

30分ほどで式は終わった、ARTHURが入った棺桶は会場に置かれたままで、皆その空間から外に出た。式の後にVALと家族に挨拶ができた。ARTHURにはSNとYKTが大変お世話になって嬉しい、ありがとうと伝える。そしてこれからも僕たち家族は隣にいるのでいつでも気軽に声をかけてほしいと伝えると、そうするよと喜んでいた。同じ通りに住む12番の女性も式に来ていて少し立ち話をした。初めてイギリスの葬式に参列した。ARTHURを取り巻く小さなコミュニティに触れられてよかった。笑いあり涙あり、新しいつながりもあり、いいお葬式だった。

帰る時に火葬場で1枚写真をとった。広い清々しい草原に建っている。