DAVID HOCKNEY / デヴィッド・ハックニー

4月8日、日曜日。

夕方から会期終了直前のDAVID HOCKNEY/デビッド・ホックニー, A BIGGER PICTUREを観にROYAL ACADEMY OF ARTSへ。行こう、行こうと心の中で繰り返してばかりで一向に行動に移せなかったのでここまで引きずってしまった。1月の終わりからずっとやっていたのに。周りの人からは「必ず行け」とまで云われた展覧会で今日・明日を逃せばもうチャンスはなかった。

日曜日夜。イースターホリデーでリージェント・ストリート、オクスフォード・ストリートのショップの大半が閉店していた。人も疎ら。しかしRAAのコートヤードに限っては中々のQUE / 列。う、と一瞬躊躇してしまったけれども、スタッフに聞いてみると1時間程で入れるとの事。しばらく前のANISH KAPOORの展覧会も同様に長蛇の列を作っていた。RAAの展覧会はいつも盛況だ。

DAVID HOCKNEYの近作を沢山観る事ができた。それらのすべてはYORKSHIRE WOLDSの風景に関するもの。2004年から2011年の間に制作された油絵、水彩、チャコール、それにiPAD ドローイングに映像作品、色んなメディウムでDAVID HOCKNEYと所以のある風景を描き出そうとしていた。7年分の制作過程を追いながら描き方の変化や、思考の進化が理解できるようになっている。後半に向かうに従って徐々に色使いの自由度が高くなりファンタジー性が感じられるものが出現する。しかし映像作品を見るとHDカメラを使用しての科学的な自然風景の切り取り方が実践されている。不思議なのは地面がピンクだったり、木の幹が緑であったりしているにも関わらず、その映像に観られる風景との違和感を全く感じない。むしろ的確な色の選び方をしているようにも思えてくる。FANTASICでありながら、風景に忠実でもあるようなそういう不思議な絵だ。それにしても作品の数が多くて圧倒される。そしてぶれない。すごいな、これが本物のアーティストだと気が引き締まる。

1960年代のこの映像での若かりしハックニーはロンドンに対して辛辣だ。50年後の年老いたDAVID HOCKNEYのインタビューをみると穏やかな人のようにみえる。