Hampstead Heath summer / ハムステッド・ヒース解禁

5月26日、土曜日。

この日をどれだけ長い間待っただろうか。週末が完全なる快晴、夏日となる一年でも滅多に訪れない機会。今日ロンドンの中で最も訪れなくてはならない場所は、僕の中では間違いなくHAMPSTEAD HEATHである。幾度となくこのブログに登場したこのハムステッドヒースは、僕がロンドンの中で間違いなく一番好きな場所である。そしてハムステッド・ヒースが最も輝く時はこういう初夏の、雲一つない快晴が週末に訪れた時だと僕は思うのである。”HEATH”とは「荒野」と訳される。文字通り、人間の手が加えられたスクエアやパークとは違って半分放置された状態の自然が観られる場所なのだ。

数日前の天気予報をもとに既にHAMPSTEAD HEATHに行く事は決めていたので、大半の掃除・洗濯等は金曜日の夜に済ませてあったので、ゆっくりと支度をして午後一番に向かう。BELSIZE PARKの公園でKUBOCと待ち合わせ、ヒース目指して歩く。多くの人達がヒースに向かいストリートはピクニック用品を背負った家族ずれや若者達で活気に満ちている。これだけ沢山の人がいてもヒースの広さは半端ではないので混み合う事などは無い。逆に人がいないと寂しげである。変化に富んだランドスケープの中で人々の大小の集合体が適度な距離を保ちながら多様な活動をしているのを観察する事、個性的な集まり方、また具体的にどの様な場所(木陰や斜面、平地など)で集まっているかなどを観察するのが実に楽しい。

いつも僕は決まった場所があるのでその場所へ。PARLIAMENT HILLから少し北に歩いた緩やかな斜面でロンドンの東の方角がパノラマで一望できる。特に小高い丘の斜面(おそらくHIGHGATE / ハイゲート当たり)に見える教会の尖塔と赤茶色の屋根スレートが綺麗だ。

道に迷いながらも、巨大な樹木を眺めたりして楽しむ。トトロに登場する通り道的なところを抜けると景色が開ける。とりあえず1時間近くここにやってくるまでに歩いたので昼食。風が草木を揺らして、波の様な形が見える。風の音、鳥のさえずり、遠くからギター(ビートルズ)、話し声が聞こえる。時々ヒースローから発着するヨーロッパ、アジア路線の飛行機がヒースの上空を通過するのを眺める。で、しばらく昼寝をした。家で眠るより、よっぽど心地よく深く眠れた。

目が覚めた後、制作に移る。まずは水彩。正面のハイゲートの丘を描いた。DAVID HACKNEY/デビッド・ハックニーのスケッチに紫色や奇妙な色の樹々が描かれていたけれども、実際そういう樹々もあるのだなと納得しながら紫を入れたりする。

水彩が一段落した後、オイル・パステルに変えてみる。水彩と違って乾式、太く柔らかい。水彩の様な色の混ざり合い等は味わえないけれども、よりしっかりとした輪郭が描ける。自然の、特にこういう風が引っ切り無しに吹いて常に変化している風景を捉えるには水彩がもってこいの様にも思えるが、子供の頃の様に目に入ったオブジェそのものを捉えようとするような感覚で、力を込めて描けて気持ちがよい。グリーン系のパステルの減りが激しいけど、それが自然だ。すべて緑色に属しているし。
絵を描きながら頭を柔らかくし、変な束縛から自由になって描けるようになるまで続けた。KUBOCも一枚水彩画を仕上げた。元美大生だからさすがに上手だ。女の子らしく繊細な筆遣い。4枚目を終え、もっと描きたいけど体力消耗、再び仰向けで眠る。再び目が覚めて夕方。片付けをしてセンターに戻る。こういう夏日が続き、それが週末にドンぴしゃで当たる様、願いたい。


ここにずっと居座っておりました。

19時過ぎCOVENT GARDENでMEIMEIとFJMKくんと合流。4人でBYRON BURGERへ。最近噂のちょっといいハンバーガー屋なので気になって来てみた。うむ、普通のハンバーガーよりは美味しかった。その後、コーヒーを一杯飲んでチューブで帰宅。今日はグッスリ眠れそうだ。