ロンドンから西へ、事務所で遠足。

日本のリビューをしようと宣言した矢先に、早速脱線する。事務所全員で現在進行中の、事務所が設計した学校のプロジェクトを見学しに行った。水曜日に遠足なんて1週間がとりあえず短く感じる、すばらしいスケジューリング。ロンドン・パディントンからひたすら西へ電車で2時間、車で45分。広大で豊かな農場に突如学校の敷地が現れる。グラウンドや学生寮、教室などクラスターをなして学園となっている。僕の母校早稲田本庄を思い出す。学生達、小・中・高校生は遠くからでも手を振って挨拶してきて、とても素直で明るい。こういう風景の中に身を置いて青春時代を過ごすのはとてもいい気がする。先生も生徒も皆穏やかだった。

校舎は来年の2月に完成する。率直に結論を言ってしまえば、自分の事務所設計のものだからといって「完璧だな」とは必ずしも言えない。構造に使われているのは木の積層材。この構造材は幅が最高で2100迄の長さを選択することができ、高さは極端に言うと樹の長さだけ、つまりとても長い。もちろん短いものは壁厚の長さだけの幅にしてしまえば柱としても使える。辛口かも知れないが、実現したい空間(ゾーニング)と、積層材の生産システム=寸法体系がうまくマッチしていない。2100モジュールで区切れば良いのにそうでない。丁度今、構造があらわになっている状態だから、積層材の使われ方、(材の方向)がイマイチ理論的で、統一性に欠けているのに気が付く。まあ色んな理由があるのだと思うけど。開口部の位置、設備系の納まり、トップライトの取り方、梁の位置など、ちょっとした事だが、この寸法体系に基づいてデザインされれば、もっと明確な空間のゾーニングができたのではないかと勝手に想像している。まあそんな事いっても仕方ない、、、積層材のいいところは、木材なのに線でなくて、面として扱えるのがいいなと思った。

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