ベルリン第1日

土曜日午前2時過ぎに起床、シャワーを浴びて目を覚ます。3時ジャストに予約していたタクシーが到着。高速バスが停車する駅まで。3時15分過ぎにNATIONAL EXPRESS BUSが到着したので乗車する。すぐに眠りについた。目が覚めたらSTANSTEAD空港に到着直前だった。朝4時半頃に空港着となる。VISAのチェックを受けセキュリティを早々と通過する。クロワッサンとコーヒーを飲みながらゲートが開くのを待つ。

RYANAIR 8542便ベルリン行き、6時頃から搭乗開始。1時間半のフライトであっという間にベルリンに到着。機内でも眠った。ベルリンの南に位置するSCHONEFELD空港に着陸。パスポートコントロールを通過し入国。電車のチケットを購入しベルリンのセンターへ。FRIEDRICHST STRASSE駅まで。駅に到着後、駅から徒歩数分程のホテルへ。ロビーにてKUBO-Cのお父さんKNMさんを発見しご挨拶。年明けにお会いしてから数ヶ月ぶりの再会。早速チェックインし、4Fの部屋に荷物を置きに行く。KNMさんの宿泊されている6Fの部屋によって日本からわざわざ持ってきていただいた沢山の食料品やグッズをいただいた。

荷物を置いて身軽になった後、さっそく外出。まずは13時からのベルリン・フィルハーモニーの建築ツアーのチケットが買えるかどうか確認するためにバスに乗ってフィルハーモニーまで。12時きっかりに13時半からのガイドツアーのチケットを売り始めたのでそれを2枚購入し、食事へ。

ソニー・センター、ダイムラーシティへ歩いていきショッピングモールなどを散策しレストランへ。シュニッツェルなどのランチを食べながら歓談。13時15分過ぎにレストランを出て再びフィルハーモニーへ。13時半よりピアニストの女性による建築ガイドツアー開始。

僕は大学院生の頃に修士論文作成のため来独した時に1度参加しているので2回目。ドイツ語か英語かのどちらかのガイドで行われるとの事だったが、英語圏の観光客が多かったのでガイドは英語になる。女性の英語ガイドの説明に合わせてKNMさんに同時通訳をする。戦後から1960年代にかけてのベルリンの状況、設計競技の事、フィルハーモニー管弦楽団の歴史などについて。複雑な動線をしたホワイエを歩きながらガイドは続く。ホール内に入り客席に座ってから今度は音響的な切り口での説明が続く。床も壁も天井もどこにも水平な部分は存在しない。水平な部分はステージだけ。大ホールの後は小ホールへ。小ホールではリハーサルが行われていたため説明はなし、その代わりその演奏をしばらく聴けた。再び複雑なホワイエを歩きながら散策。あっというまにツアーガイドは終了した。


ホールのパノラマ


ホール1

[:W640]
ホワイエ

フィルハーモニーを後にしてとなりの同じくシャロウン設計の図書館へ。シャロウンが亡くなった後、EDGER WISNIEWSKIさんが後を継ぎ完成させた。EDGERさんは2006年にベルリン・フィルの中でインタビューできた。その後2007年の春に急逝された。その時の事を思い出しながら散策。図書館の会員でないと内部は入れないのでメインの空間にはいかなかった。

シャロウンのツアーが終わった後、電車を乗り継いで少し郊外のジードルングへ。
SバーンUバーンを乗り継いでSIEMENSDAMMという駅へ。地下鉄駅から出たら既にそこは世界遺産の区域内。「ベルリンのモダニズム集合住宅群」というリストで登録されている。都市計画はハンス・シャロウン、参加した建築家はブルーノ・タウト
グロピウス、オットー・バルトニング、フレッド・フォルバート、フーゴー・ヘリング、パウル・ルドルフ・ヘニング。敷地面積は19.3ヘクタール、1929年から1934年に建設され合計1370世帯の集合住宅が設計された。

到着後早速散策。曇だった天気予報はどこへやら良い天気に恵まれた。地図上の建物のレイアウトから受ける単調な印象は全くなかった。テラスを眺めながら各々の世帯がしっかりと住み込んでいて自分たちの空間をしっかりと自分たちで作り上げている印象を受けた。ベランダ越しに地上にいる人と会話をしたりする様子からご近所付き合いもしっかりしている様子。建物と建物の間はたっぷりと余白部分が確保されウサギや鳥の動物などが多くまるで森の一部のようだった。80から90年も経過するとウサギが住み着くのだろうか。各々の建物はシャロウンやフーゴー・ヘリング、グロピウスは一目瞭然。曲線の階段室や、丸い窓が、いかにもであった。内部に入ってみたかったが残念ながら入れなかった。1つだけシャロウンのデザインだろうか、11階建ての中層集合住宅があり、それは低層の集合住宅を観た後では少し威圧的だった。影になる部分も広がっている。それと足元が駐車場や駐輪場、ゴミ置き場などに占領されていたので、低層にみられた自然豊かな部分と比較すると少々残念であった。がしかし、船や鳥を彷彿させる手摺やエッジーなバルコニー、丸窓やエントランスのキャノピーは好みであった。学生時代の憧れだった造形である。今でもそうかもしれない。


敷地図と建物のレイアウト


駅を出てすぐのシャロウン設計の集合住宅その1


シャロウン設計の集合住宅その2


グロピウス設計の集合住宅とその前庭


フーゴー・ヘリング設計の集合住宅、それぞれのバルコニーが色鮮やか


ウサギがかなりたくさん住んでいる


シャロウ設計の集合住宅その3のディテール。丸窓とエントランスキャノピー。この雨樋がどのエントランスでもスタンダードになっている。


高層のシャロウン棟


高層のシャロウン棟の手摺ディテール。

ジードルングの後は一度ホテルへ戻り、再びフィルハーモニーへ。20時よりコンサート。ホワイエを歩いていると、あれなんだか知っている人がいると思ってよくよく観てみると早稲田の後輩だったUCDさんだったので驚いた。ベルリン在住のアーティストのお友達を訪ねベルリンまでやって来たそうだ。奇跡的としか言いようがない。以前あったのはロンドンで一緒にパブにいってお話をした。2013年の6月1日だった。丁度1年前だったようだ。ホワイエで歓談した後、ホールへ。

指揮者はKRZYSZTOF URBANSKI、ポーランド生まれの1982年生まれ。僕と同い年だ。スメタナのわが祖国、ホフスラフ・マルティーヌのチェロ協奏曲第1番、アントニン・ドヴォルザーク交響曲第7番。指揮者がかっこ良すぎた。そしてチェロ演奏者のSOL GABETTA(1981年生まれ)もまたすごすぎた。音楽の世界では同い年組が爆発しているのか。拍手の嵐。KNMさんと共に大満足の一夜であった。

バスに乗ってホテルへ。ホテル前のレストランで簡単な食事をしながら乾杯。色んな話を夜遅くまで。24時過ぎホテルの部屋に戻りシャワーを浴びてベッドに倒れこむ。

今日は1日長かったなと思いながら、眠りについた。


満員御礼。