サウナで格闘技文化交流

僕だけしかいないサウナで、僕が腰を掛けてひとりぽたぽたと汗を落としていたら、体がムキムキの黒人の兄ちゃんが入って来た、別に珍しい事ではないのだけれど、誰だこいつはとツイ思ってしまったのは、突然サウナで食事をしだしたからだ。チョコレート入りクロワッサンと飲み物を頬張りながら、外国人ならではの「Mmmm〜!!」という、対して旨くないのに旨すぎて死んでしまうかの様なそんな演技がかった声をあげるものだから、つい声をかけてしまった。
「チョコレートとけて美味しそうだね」
「そうなんだ、暑いからなここは。」彼の声が、意外にもアニメ声なのでこれまたギャップで吹き出しそうになってしまった。ちなみにサウナ室で話をしだすと喉、鼻孔が焼けるので注意が必要である。
「中国人か?」
「いやちがう、ジャパニーズだよ」
「そうか。俺はてっきりお前がブルース・リーなんじゃないかと思っていた。俺は昨日ブルース・リーの「ドラゴン」を見たところだ」と、、、突然の僕に対する印象の告白は何だか奇妙であった。
「彼はもうずっと昔に死んだよ。」
日本の格闘技に詳しく、空手をやっているらしい。どうりで図体がどでかい訳だ。喉が焼けるのに、頑張って日本の体育の授業の話などをしてあげた。サウナ、スチーム、サウナを1時間程繰り返し、冷凍シャワーで締める。夜21時半。図面が大体仕上がった。今週末は図面を沢山描いたな。