YOU ME BUM BUM TRAIN

10月1日、月曜日。

10月は強烈な1日からはじまった。

仕事ではない、その後のこと。
前回の全体ミーティングでボスがこういった。「実は先日すごい体験をした、MOST AMAZING THING EVER。今までにない素晴らしい体験をした」というのだ。そして僕らにも体験して欲しいというのだ。
月曜日。事務所は17時半にはシャッターを閉じ、事務所員全員が参加した。KINGS CROSSのGILBERT SCOTT BARでいっぱい飲んで、電車に乗ってストラトフォードまでたどり着いた。駅を出てショッピングモールを抜け、街を歩くこと数分、奇妙な建物にたどり着いた。YOU ME BUM BUM TRAINと書かれている。

これがいったい何なのか、全ては秘密にされていた。知ってたのはチケットが1人1枚通常£20であったものはすべてソールドアウト、そしてあまりの人気にチケットは転売され1枚£270まで跳ね上がっているという事だった。ボスは全額を負担し、全員に参加を促した、それほどのものなのだ。

扉をくぐると受付があり、紙面に情報を記入する。名前、住所、それとそこには「怪我をしたり、破損したりすることがあるかもしれませんが、われわれは責任を負いかねます」といった具合の文字列が並び、そこにサインした。メディカルチェックもあった。アレルギーはないか、最近怪我をしたことはないか、喘息はないか、など。すべてのチェックが終わったところから、YOU AND ME BUM BUM TRAIN がはじまるのだ。

小さな1メートル角の部屋に一人が座れる小さな皮のソファーがあり、そこに案内される。まず座ってヘッドフォン着用し、ガイダンスを聞く。「大きく呼吸して、リラックスしてください。」。皮のソファーはマッサージ機能がついていて、小刻みにバイブレーションしていた。個室はどうも宙に浮いて、どこかに移動しているいるようだった。ヘッドフォンをとって外に出るよう促されて扉をあけて外に出た。すると驚くことにそこは知らない家族のリビングルームだった。

こうしてYOU ME BUM BUM TRAINは始まって、30分ほどの時間を経て。全ては終わった。すべてが終了し最後の扉を開けると同僚や、知らない人達に拍手喝采で迎え入れられる。

写真は厳禁、何が起こったかも秘密にしなければならないのが約束だからこれ以上は言えない。

ただ、今日40名ほどの観客の前で自分のアートを説明し、新米美容師として女性の頭を洗い、武装した特殊部隊数十名を率いて麻薬の取締を仕切る隊長になった。葬式で友人が死去したという理由でスピーチをして、ラジオのDJになり、ビリヤードの解説員をしてアイスクリームバンでアイスクリームを売った。工事現場でブルドーザーを使って土を掘り返し、30名ほどの生徒がいるジムのインストラクターになり、50名くらいで構成される本格的なオーケストラの前でタクトを振る指揮者になった。

普通では考えられない体験だった。上記に示したものすべて本当にやった。
ボスに感謝したい。

YOU ME BUM BUM TRAIN
http://www.bumbumtrain.com/