今週は4日だけ

月曜日、快晴。

金曜日からイースターホリデーが始まるから事務所の人達は休みに入る人が多い。僕もその1人。事務所だけでなく、イギリス全体が休みに入る。それまでに終わらせたい仕事があるので頑張って終わらせたい。作りかけの模型に着手し、夕方前に終了。残りの時間は新しいプロジェクトのコンセプトスケッチ。1時間集中しただけでは、なかなか突破口が見つからない。もう少し時間が必要だ。

ランチ、天気がいいのでカムデンマーケットへ繰り出す。なんという名の桜だろうか。花の色が濃いピンク色をしており、ちょうど散り際だ。寒緋桜という種だろうか。桜の種類は200種類もあるのだそうだ、ということなのでまず当たっていないだろう。帰る途中、桜の花びらを一生懸命に写真におさめようとしてた女性がいた。芝生の上の桜の絨毯をとっていた。桜に目をとめるなんて日本人以外にも珍しい人がいるもんだなと思いながら横を通る。仕事後、木曜日迄の食材を買いにセインズベリーズへ。

唐突だけれども、スコットランドのテクノバンド、Boards of CanadaによるDayvan CowboyのPVを貼付けた。Project Excelsior / プロジェクト・エクセルシオアメリカ軍大尉のジョゼフ・キッティンジャーによって1959、60年に行われた成層圏からのパラシュート降下実験の映像が使われている。地球の丸い形が確認できるほどの高度(30キロ上空)から落下。音速を超えるスピードで落下し続け、厚い雲をくぐり抜け、温厚な太陽の光に満ちた地上へと戻り、そして深い海へ、、、というストーリーがサウンドスケープと見事にマッチしている。特に成層圏における究極の環境と神秘的な人工音、雲を突き抜け平穏な地上とメロディアスな部分。その切り替わるところのがとてもいい。
Dayvan Cowboy, by Board of Canada,

実は僕は、高校3年の時、親友のW君とスカイダイビングをした。春なのに真夏の様なグアムだった。地上から専用の服に着替え、飛行機に乗り込み、いざ離陸、そして落下、パラシュートで遊覧、着陸まですべて映像に撮ってもらった。どこかにその映像が残っている。いつかデジタル化しようと思う。その時の高度は10、000フィートだった。富士山くらいの高さだ。自由落下は1分程だったか。生まれて初めて「記憶が飛んだ」、という事を覚えている。あの体験はすごかったな。飛ぶ前にサインしなければならない書類を目にした時に、自分の命の責任と対面して、自分にそんな責任が負えるのかと手が震えたのも覚えている。でもその時は、ただ何も考えず飛んだ。飛ぶ為だけにここまできたから。


これはその時のW君(その時の本物の写真)。僕はこの数秒後、右に映っている飛行機から飛び降りる。10年前、2001年の春。