永住権の申請とその結果

午前8時過ぎ起床、バナナとヤクルトの朝食を食べる。今日はHOME OFFICE / 英国内務省に ILR - INDEFINITE LEAVE TO REMAIN / 永住権の申請に行く日である。予定よりも早めにフラットを出発。地下鉄でVICTORIAまで向かい、VICTORIA駅からオーバーグラウンドでEAST CROYDONへ。15分程の乗車でEAST CROYDON駅に到着する。

初めてきた場所である。駅前を大きな通りがあり、トラムが走っている。幅広い車道の両側には中層オフィスビルが立ち並んでいる。なんだかヨーロッパの町並みのようである。ロンドンとは思えない。15分から20分程あるいてHOME OFFICEのビル前に到着。沢山の警備員とビザ申請をする人達がいる。ビザコンサルタントとの待ち合わせまでしばらく時間があるので近くのカフェでコーヒーを飲みながら待機する。

HOME OFFICEでの予約は11時20分なので30分前の10時50分に入り口のロビー前にてコンサルのNCLと初対面。挨拶をして早々にセキュリティチェックを受けて建物の内部に入る。警備員に付き添われて上階へ案内される。予約受付番号、BRP - BIOMETRIC RESIDENCE PERMIT / 生体認証居住許可証、などを提示して本人確認。受付が終了する。HOME OFFICE内の、VISA APPLICATIONをしている人達だけが使えるCOSTA CAFEがあり、そこでNCLと簡単な打ち合わせをして資料の確認と、複数の紙面に僕のサインと、NCLのサインを入れる。書類が完了したところで、まずは番号がくるまで待機。NCLと世間話。色んな話をしながら1時間程待機する。番号が呼ばれた後、まずは新しい「生体認証居住許可証」のための受付。NCLは週に2,3回はHOME OFFICEに来ているのでHOME OFFICEで働いている人達のほとんどを知っていて、あたかも友達である。職員との気安さがあるからこういう神経質になる申請も実に気楽な雰囲気にしてくれる。信頼関係すでにしっかりとできあがっている、これがコンサルの良さである。「生体認証居住許可証」のための受付を担当してくれたおじさんは来週で定年退職するようで、NCLとも長い付き合いであるとのこと。パソコンをいじって手続きをしながら、NCLと色んな話を気楽にしている。本人も来週で定年退職ということもあり、もともとリラックスしている。

受付が終わった後30分ほど待ってから指紋と顔写真の撮影をする。撮影が無事に終わったら再びカフェにて待機。生体認証での撮影などが終了したので、ここから申請書類がCASE WORKERの手に渡る。CASE OFFICERとは提出された申請書類の山を実際に確認して、VISAを承認する人の事。その人がオーケーを出せばVISAがもらえる。1時間半待機後、番号が呼ばれる気配ないのでNCLが知り合いの受付に聞きに行ったところ、僕の申請書類を確認しているCASE OFFICERはLONという人が担当しているとのこと。このLONは作業が速い人だから底まで時間はかからないと思う、とのこと。更に1時間半待って再度NCLが確認をしたところ、ちょうど審査が終わったところだったようだった。ここまでおそらく3時間待った。この間NCLと色んな話をして過ごした。日本によく言ってたこと、音楽業界でずっと働いていたこと、その時、COLDPLAYのCDをアメリカで売りまくった事、自分の家のデザインをしていることなど話はずっと絶えなかった。最後は友達感覚で話せるまでになったのでよかった。

結果、永住権申請は無事に承認された。朝10時50分から15時半までかかった。郵便で送るよりはるかに速いので満足。その場でパスポートなどの資料はすべて手元に戻ってくるし、一週間ほどで新しいBRPが郵送されてくる。それが手に入ると全て終了である。

思えばここまで実に長かった、初めて来英した2007年の6月から数えて、実に6回のVISA延長を行ってきた。それぞれの費用は覚えてないが膨大な金額になるのは間違いない。ちなみに、今回の永住権申請にかかった費用は£3460、日本円にして615、000円である。内務省に支払う申請料は今回のようにその日中に結果が出てパスポートが手元に戻ってくるプレミアムサービスを利用して£1900、日本円にして338,000円。これが高い。今月の頭に£400程値上がりしてこの値段になった。5月にイギリスでは大きな選挙が行われるが、これでまた移民政策が変わる可能性があるといわれているが、同じ政権が続くと益々値上がりしていきそうだ。コンサルに支払った料金は今までに何度も申請を頼んできたということで特別価格にしてもらい£1300、日本円にして230,000円、更にこれに20%の消費税が加わる。

コンサルに支払った料金には全く不満はない。まず僕の申請を引き受けてくれる時点でそれはもう確実にHOME OFFICEに承認されるケースとみてよいからである。安心・信頼を買うということなのである。HOME OFFICEもまたコンサルが付いていることがわかれば実に好意的である。今日のNCLと職員の親密さを見る限りそのように感じる。コンサルタントが事前に僕のケースを判断しこれなら通ると確信して実際の申請に望むのである。NCLが今日いってたけれども、通らないとわかっているケースは引き受けないとのこと。なので何も心配する事ないと最初に言っていた。しかももしも何か手違いがあったとしてもCASE WORKERや職員とこれほど親密な関係なので、じつはその場でなんとかなるのである。そのもう出来上がった信頼関係のネットワークに加入させてもらうための料金なのであった。

さて、永住するのかどうかは正直分からない。イギリスのトーリー / 保守党が政権を握ってから移民制度が毎年厳しくなっていくことが定例化して早7年。KMYMくんや僕、TKYMくんを最後に英国での永住権を獲得できる外国人は移民制度が変わらない限り、もういない。僕達が最後の世代になる。僕たちにはイギリスで継続的にフルタイムで5年働いたら永住権申請ができるという条件が適応されていた。しかし今では外国人が突然イギリスにやってきて仕事につくことは、余程の才能があって企業がスポンサーシップを出してまでも得たい人材でないかぎり(これはTKYMくんのケース、素晴らしい)、あるいは期間限定のYOUTH MOBILITY SCHEME (少し前のいわゆるワーホリ)以外無理である。だからとりあえず、とっておいて損はしないし、将来的なフレキシビリティーもあったほうがよいと判断した。日英を自由に行き来して、仕事をすることができるそういう状態をつくっておくのは将来的にも重要だと判断したからである。そして自分にもし将来子供ができた時、そしてその子がイギリスで生まれた場合はその子供には自動的に英国籍が与えられ、そして日本国籍も与えられる。2つの国籍をもちながら成長し、成人する時にどちらかを必要な方を選択すればよい。自分で判断して国籍を選べる、そういう特権も得られる、、難しい選択であることは間違いないけど、悩む価値のある選択である。その時の世界の動向と自分の生き方で判断してもらえたらそれでよい。

そんなことを考えながらNCLにお礼をいってHOME OFFICEをさる。事務所に連絡するも、ボスより今日はもう金曜日だし、そのまま直帰しな!とのことなので甘えて帰宅した。


肩の荷がおりる。EAST CROYDON駅のプラットフォームで電車待ち。

夜はベルリンからやってきたSWYくん、日本からやってきたKDKRさんを囲み、TKYM氏、SHGくんと僕の5名で食事、パブなどでワイワイと過ごした。皆は夜遅くまで飲むとのことでCAFE ROYALのバーへ行ったが僕はお暇した。帰宅後シャワーを浴び、ブログを更新する。週末何をするかなと考えながらぼーっとしている。