コメント返信

>danonさん

danonさんのコメントの返信として一本記事にしてしまおうと思いました。
そうだね、この建築に隣接するミースのギャラリーを評価する同じ眼でこのシャロウンを観察することはできないね。全く異なる価値観のもとに構築されているしね。1960年当時の時代の主流路線から行くと確実にアウトローだね。平面図をみると理性も何もあったものじゃない(様に見える)。こういう建築はもう誰も建てられない気がします。ベルリンが焼け野原になって完全に廃墟と化した後のベルリンの復興を祈願してつくられた建築だから、かなり特別だと思います。あのホワイエの雰囲気は不思議でとても真似できない気がします。


From http://www.greatbuildings.com/ より

たしかにパナプティコンの解体途中な感じがするね。それに監視しているのは指揮者ではなく観客だというベクトルの逆流が。シャロウン本人はホール自体を「ワインヤード/Vineyard」=ぶどう園、自然のランドスケープアレゴリーとして引用していました。僕らはぶどうです。で、指揮者もぶどうです(笑)古い対立的な構図が消えて観客もまた空間の一役として機能するのはすごいね。

写真はベルリンフィルに関する修士論文を書く為に3年程前に訪れた時のだよ。

ホワイエ

ワインヤード

ベルリンフィルの外観

いやあいい建築です。何がか解らないけど。
ちなみに色んな建築家がこの建築にインスパイアされていると思います。伊東豊雄ヘルツォーク&、ジャン・ヌーベルのこれらの建築をみるとベルリンフィルとイメージが重なります。まあワインヤード型のオーディトリウム自体が形式化されているし、余分なものを取り払った結果と音響的な良さを追求すると自然と建築の外観はこういう形態に成らざるを得ないのかもね。ただその形式を時間と場所の異なるところに持ち込んでもベルリンにおけるそれとは異なるものになると思います。ベルリンのあの建築がその形式の上にまとっているものは一体なんだろうかね。


from http://www.dezeen.com/ より

from http://www.tate.org.uk/ より

from http://www.arcspace.com/より

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