敷地訪問

朝、鈴木博之先生の訃報を知った。突然の事で最初は信じられなかった。小見山くんは鈴木博之研出身で、鈴木先生が日本からDOCOMOMOの調査で来英された時には堀田君と共に食事をご一緒させてもらい、色んな話をしていただいた。3年前の丁度今頃だった。学生時代には「丹下健三あるいは建築状況二〇〇五」の手伝いをしていた関係でご一緒したこともあった。建築の世紀末や都市の悲しみ、ゲニウス・ロキ、ロンドンにまつわる著作など著書も沢山拝読した。この場を借りて心よりお悔やみ申し上げます。


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午前8時に起床、ブルーベリー、ヨーグルト、ナッツミックスの朝食をとり9時前に出発。今朝は事務所に向かわず僕達が担当しているプロジェクトの敷地調査へ。TFLのストは二日目、通常ならチューブを乗り換えてたどり着ける場所だが、バスとオーバーグラウンドを乗り継いで現場まで急ぐ。みな地下鉄が動いていないから通勤通学は動いている限られた路線に集中する。結果的に日本の通勤ラッシュ並の混み具合となる。10時集合のところ、時間に余裕があって9時半に到着。するとKATからテキスト。すでに到着してカフェで朝食を食べているというので合流。10時前にはLUCAも合流。

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ST. Bartholomew's Churchに続くアーチ。ここも敷地内。教会とアーチは勿論保存。


10時ジャストにST.BARTHOLOMEW CHURCHのアーチの下に、DKとDTとともに集合。DTはチームリーダー、DKはファサードのプロでLUCA、KATと僕のクラディングチームを監督・指導してくれている。5名でサイトをまわる。建物は1つや2つではなく、街の一区画なので目に入ってくる建物全てを設計しなければならない。この少人数で本当にできるのか、、、と疑うもやる気は満々だ。数人でこの歴史的な一角を設計する経験はなかなかできないはずだ。逃してはならない。


この写真に収まっている建物すべて設計対象。中央左に写っている黄色いレンガの建物は僕が担当しているRETAINED FACADEの物件。


左の白いGLAZED BRICKのインダストリアルな建築も同じようなデザイン言語を借用し再設計される。右側の赤いレンガの建築はこれも僕担当のRETAINED FACADEの建築の一部。

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道路左側の建築どちらとも敷地内。CRITTAL WINDOWという英国製の古い鉄枠のガラスが収まっている。今でも製造されている。

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こちらもRETAINED FACADEで僕の担当。新しい複雑なRCスラブとこれまた増設される鉛板のルーフが特徴である。

時間をかけて街の空気とスケール感を体験する。いつもだったら想像していたスケールと実際体験してわかるスケールとの間に結構な隔たりがあったりするのだが今回は思った通りのスケールだった気がする。サイトを見終わった後はBANK方面に歩きDKの引率のもとにSHEPPARD ROBSONが設計した建築を見て歩く。これもそう、あれもそう、そしてDKはそのディテールを全部説明できる。SRの建築が街中にかなり沢山ある事に驚愕する。ST.PAUL教会の裏に位置するPATERNOSTER SQUARE三菱地所によるデベロップメントでその中のいくつかの建築はSRの設計であることを知った。学ぶ事がたくさんありすぎる。

昼頃にサイト訪問並びにSR建築ウォークが終了する。DKとはその時に別れ、我々3人はカフェで一服してから事務所へ。僕とKATは動いている電車を調べてチューブで事務所へ。LUCAは自転車で。帰ってからは撮影した写真を整理した後、RES_Eに関する構造エンジニアからの複雑な設計レベルの提案が送られてきたので、我々の図面に赤を入れ影響を確認してみる。スケッチをしていたらいつの間にか18時を過ぎていた。A41枚、A31枚、A11枚、A01枚のスケッチが出来たので明日の朝スキャンして送信したい。19時帰宅、一人用の鶏肉とキャベツの鍋を作ってご飯を炊き夕食。美味しい。夜はブログ、スケッチなど。