YAMAGUCHI KATSUHIRO / ANNELY JUDA FINE ART

9月11日、水曜日。

午前8時前起床し、シャワーを浴びる。電車に揺られ事務所へ。新型の車両だったので乗り心地がよく、気持ちのいい通勤となる。小雨が降り、ロンドンらしい天気が続いている。家具の図面とセッティングアウト図面を印刷し同僚とミーティング。図面の更新、現場とのやりとり、BREEAMのまとめ等、いろんな事が同時に舞い込んできてかなり忙しかった。16時頃遅めのランチ。18時半まで仕事。

19時BOND STREET、KUBO-Cと待ち合わせギャラリーANNELY JUDA FINE ARTへ。師である石山修武研究室からの情報で山口勝弘さんがボンド・ストリートのギャラリーで展示をされる事を知って、今日のオープニングにいってきた。よく通る道なのに、そこにギャラリーがあるとは気が付かなかった。エレベーターで4Fへ。山口勝弘さんは「実験工房」のメンバーで、メディアアートの先駆者である。

2006年に神奈川県立近代美術館山口勝弘展が開催され、その時も足を運んだ。特にガラスを層状に重ねたオブジェクト「ヴィトリーヌ」が好きで、研究室にいた頃に古いカタログにのっていた「ヴィトリーヌ」のアクソメ図面(分解図)だったかを見せてもらって、そのかっこ良さに気持ちが高揚したのを覚えている。今日もまたその「ヴィトリーヌ」を眺めることが出来た。KUBO-Cと共に、視点を変えながら不思議な映像の変化を楽しんだ。「ヴィトリーヌ」と呼ばれるオブジェは3点あったが、2点は1990年代に制作され照明が内蔵されている。もう1つは1956年制作のもので、こちらは照明は使われていない変わりに様々なマテリアルがガラスの裏に仕込まれており、他の2点よりも物質的でありながらデジタル映像を観ているかのような不思議な感覚が味わえる。

56ページのカラー版カタログは今日限り無料で2冊もらえた。HRKくんも展示会に来ていて挨拶。KUBO-Cとは半年ぶりの再会。しばし立ち話。山口勝弘展と同時に上の階では、YUKO SHIRAISHIさんという方の展示も同時に本日がオープニングであった。エジプトの王墓からインスピレーションを得て制作された線状のオブジェや、スケッチ、テクストや、ペインティングどれも印象的だった。実務に追われた後に見ると、凝り固まった思考が自由になり実にスッキリする。

展示会の後はラーメンを食べ帰宅。

1950年代の「ヴィトリーヌ」
From http://artnews.org/annelyjuda/?exi=17657 より。Katsuhiro Yamaguchi
Vitrine Rhythm in Space | 1953 | glass, oil, wood panel and paper | 34.5 x 40.5 x 10 cm