英国帰国後の本格更新

さて、もうすぐ日付は月曜日になろうとしている。夕方にパリから帰ってきた。早速土曜日の事を下記に更新したい。


2月2日、土曜日。

早朝4時に起床。予約しておいたタクシーにKUBO-Cと乗って5時30分頃にST PANCRAS駅に到着。出国手続きを経てユーロスターに乗車。STRATFORD、ASHFORDを経由してフランスのパリ、GARE DU NORD/北駅に到着。パリに来たのは何時ぶりなのだろうか、懐かしく感じる。

まずはホテルへ向かう。GARE DU NORDから20分ほど南西の方向に歩き、SAINT-GEORGESというMETROの駅に到着。モンマルトル界隈だ。そのクレセントらしき区画内に建つ建物の背面に位置するカーブした静かな裏通りへ。HOTEL ARVORを見つける。同僚のSN、元同僚のML、SNは良くフランス出張に行き、MLはカナダ系フランス人、現在パリで仕事をしている。その2人がお薦めするブティックホテル。とてもリーズナブルで、内装、インテリアはさっぱり。アートが所々に配置されて小洒落ている。とても静かな場所で、宿泊した501号室からは屋根のある風景、シャワー室からはエッフェル塔もわずかに眺められパリの雰囲気を堪能できる。元々SNにはエッフェル塔が綺麗に見える502号室にしてもらったらいいと聞いていたのだが、生憎502号室は埋まっており、代わりに501号室を用意してくれたのだったが、それでも十分な風景だった。


まず、申し上げたいのは今回持っていったカメラはNIKOND80と、レンズはAF-S DX NIKKOR 35mm F1.8 G。いつものデフォルトのズームレンズではなく、単焦点なので画角が固定されており、なかなかコントロールが困難でありました。移動して構図を決めるなどの努力をあまりしなかったので大体切り取りが1回り小さいです。ところで写真はホテルのロビー。

チェックインは15時からという事で、荷物を預かってもらい外出。まずは腹ごしらえということで、これまたSNに勧めてもらった良い通りへ。歩いて5分のところにあるRUE DES MARTYRSという坂道の通りだ。洒落たお店がたくさん並ぶ、どちらかというと観光客が押し寄せる通りではなく、地元の人で溢れる通りの様でチーズやチョコレート専門店、果物屋、パティスリーが軒を連ねる。直感でROSE BAKERYというデリカテッセンに入る。僕はきのこ、トマト、卵を、KUBO-Cはサーモンとブロッコリーのパイを。とても美味しかった。パンも、コーヒーも美味しい。堪能してお店を出る時には店の外まで行列ができるほどの人気ぶりだった。食後は運動、これまた5分ほど歩いてMONTMARTRE/モンマルトルへ。懐かしくサクレ・クール寺院を見上げる。寺院の中を一周りした後、景色を一望する。雨・雹が降ったり、突然日がさしたりと、さながらロンドン。テルトル広場でイーゼルが並んだ風景を通り、壁抜け男の彫刻、ラデの風車、ジュ・テームの壁、ギマールの地下鉄入り口など、主に街並みを見ながら散策。歩き疲れた後はアメリのカフェでコーヒーとクリーム・ブリュレ。ロンドンで食べているものより格段に美味しかった。


ROSE BAKERYにて。KUBO-Cのサーモンとブロッコリーのパイ。


僕のディッシュ、見ての通り。


サクレクール寺院を見上げる。


パリを一望する。晴れたかと思えば、雨と雹混じりで全体が白くなる。


テルトル広場にてイーゼルと絵描き


モンマルトル散策


壁抜け男の彫刻とケツ。


アメリのカフェにて。クリーム・ブリュレ。

15時過ぎ再びホテルに戻りチェックイン。501号室へ。うす緑色の壁をした小奇麗な部屋で噂通り景色もよく満足。KUBO-Cもご満悦。たった1日だけれども、私的にはHANGROHEのシャワーや蛇口、DURAVITの衛生器具で生活できるのが楽しみである。図面に描くばかりで実際に使ったことは無かったから。身軽になって再び外出。


ホテルの部屋。画角が狭くて全然入らない。でも小奇麗な感じはわかっていただけると。


南西を臨む。そうそう、これこれというパリの屋根。

地下鉄を乗り継いで、MUSEE DU QUAI BRANLY/ケ・ブランリー美術館へ。ジャン・ヌーヴェル設計。世界各国から集められた(ヨーロッパ意外だろう)民族系の美術品、彫刻、装飾品などが展示されていた。全体は船の様、持ち上げらたフロアに展示室となっている箱が突き出ている。ゴツゴツとしたレザーフィニッシュの一部が家具的な機能を持ったパーティションで4つのエリア(アジア、オセアニア、アフリカ、アメリカ)にソフトに区切られている。外部、内部に入ってから展示までの間は建築に目がいっていたが、展示のメインフロアにつくとすぐさまオブジェに引きつけられる。どの展示品も強烈な印象で見入った。2人共2時間かけぶっ続けで展示を楽しんだ。それぞれの大陸の先住民にまつわる、儀式的な服飾、装飾品、オブジェ。崇拝された偶像など。見終わった後は極度の脱力感に襲われる。


ケ・ブランリー美術館へ。


ガラス張りの楽器保管庫。この美術館のコレクション総数は30万らしい。


儀式的な装飾品。オセアニアのセクションより。


オセアニアのセクション。偶像だと思われる。


別の楽器庫。笛だろうか。スピーカーより音が聞こえてくる。保管庫をガラス張りにして楽器の音をデータベース化して流すのはいいアイデアだと思われる。


南アメリカ大陸の儀式的な衣装。オセアニア・アフリカ系のイコンとは別種の恐怖感、気持ち悪さを感じる。


どの展示品も印象的であったが、これが、ある意味、一番衝撃を受けた。
グアテマラマヤ文明、VASEとある。VASEとは花瓶、あるいはより抽象的にいえばツボ。アノニマスな作者に対して、一体何を見て考え、どういうプロセスを経てこれを制作したに至ったか、その飛躍の連続をぜひ聞いてみたい。


薄暗い中、何度も挑戦してブレない写真を収めた。


ニュージランドのマオリ族による木製の宝箱。いくつかの装飾品を観たが、どれも同じモチーフで覆われている。ニュージランドのプロジェクトに何か使えないだろうか。

[:W640]
展示品に気を取られジャン・ヌーヴェルを撮らなかったので1枚。レザー被覆の岩のようなパーティション兼ファーニチャーが印象的だった。


さて脱力感があるものの、頑張ってホテルに戻らなくてはならない。メトロでは気を抜けない、スリなど十分に気をつけながらホテルへ戻った。夕食は再びRUE DES MARTYRSへ。フランス料理を、と思いながらもここは地元の人の通り。いくつか候補はあったものの事前にブッキングで一杯、あるいはレストラン自体がやってないという状態でなかなか見つからなかったが、明らかにパリっ子に人気のあるピザ屋さんがあってそこに入った。フランスでイタリアンかと思うも、美味しかったのでまあ満足。疲れた時にはなんでも美味しい、の法則かもしれないけど。食後のアマレットも美味しかった。ホテルに戻りベッドに倒れ込み、ぐっすりと眠る。