主にターナー・コンテンポラリーの事

6月21日、火曜日。
GA = General Arrangement 断面図がほぼ出来上がり、今度はその図面にあのテーションを書き込み、1/2、5、10の詳細図面シートへのリンクを表示する。必要なディテール部分に印をつけ、シートを制作する作業に没頭。

あ、Sさんの事忘れてた、、、。コメントをみてから書き直しました↓

仕事終わり、、、運河沿いを歩いていると、どこかでみた事ある女性が焦っておられた。ううむ、あれはSさんではないかと気がついて話しかけてみると、なんとカフェにRICHOのGRを置いて来たのだそうだ。「まあ、なんと言う事でしょう、もう2度と手元に戻ってきませんよおーそりゃあ」といってカフェまで付き添ってあげたら、なんとカフェのスタッフさんが確保してくれていた。2人はロンドンでこんな事が起こるのか、奇跡だと思った(リアル)。親切な方もいるのだ。その後、AAでの多忙な日々が終わり休みに入られSさんは更に気をよくされ、コベントガーデンへと笑顔で消えていかれた。僕はそぼろご飯と卵丼の材料を買いに、スーパーへといったとさ、めでたしめでたし。豚肉が臭い、あれだけ生姜と日本酒入れたのにくさい、今度はもっと入れるべきだ。

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忘れないうちに、少しだけDAVID CHIPPERFIELDのTURNER CONTEMPORARYの写真と文章をアップしておこう。DEALの街からタクシーにのって北の港町MARGATEへ。街の海岸沿いにタクシーが到着する。下車して周りを見渡すとすぐにターナーコンテンポラリーを発見。乳白色のガラス被覆+T型ステンレスマリオンが太陽の光で目映い。海の方向に開いた方流れ屋根の白いボリュームが集合し全体が形成されている。四角いプラン=ギャラリースペースの連続がイメージされる。

コンクリ、プラスター、ステンレス、ガラスとマテリアルはシンプル、木材は使われていなかった。GFのエントランスロビーにインフォメーション、ショップ、カフェがあり、その他トイレ、レクチャー・ワークショップ、ロッカー、諸処のサービスもGFにある。展示空間は1Fへ上がってからはじまる。四角いギャラリースペースには上部横長窓(海側)からの光が差し込み、展示内容によって細かく光のコントロールが可能な仕組みになっている。展示室は3部屋のみ、他は今回の場合は撮影に使われていたり、常時スタッフ・オンリーのスペースになっている。展示物の中では CONRAD SHAWCROSS / コンラッドショークロスのキネティックオブジェがよかった。彼の光と影はいつも精密に計算されている。


コンラッドショークロスのオブジェ

今迄メディアでこの建築をみるチャンスが幾度かあってそのイメージからはもっと大きなスケールを感じ取っていた。けれども思っていた以上に小さな建築だった。街の大きさにあったミュージアム、どこからか謙虚さが感じ取れてよかった。タクシーの運転手がいっていた「何だか宇宙船がやってきたみたい」という印象、街のコンテクストにあっているかどうかという疑問も解る。ただターナーコンテンポラリーという名からわかるように、ここはターナーとの関わりが深かった場所を記念してつくられた。ターナーが描いたマーゲートの風景は水、光、町並みがお互いに溶け込んでいる。朝霧の港町にはきっとこの建築は白く輝き、ターナーの波しぶきの様な風景を想起させる、のだとしたらそれは良いのかもしれない、と思いたい。


ターナーが描いたMARGATE / マーゲート、1840年
FROM: http://www.turnercontemporary.org/turner-and-margate/turner より

堅苦しくない出入り自由のフリーアドミッション。街に流れる田舎の空気、街を歩くシャツ1枚で買い物バッグを持った一般人が肩の力を抜いてふとやってこられる美術館だ。子供連れの家族や学生達が沢山いたのがそれを物語っている。

ただちょっと残念に思った事が1つ。海岸沿いの町外れに建つこのターナー・コンテンポラリー、建物に平行して造成された道を歩いていくと、美術館の裏側に抜けられる。すると貝殻で敷き詰められたランドスケープが突然切断され、寂しい場所に辿り着いてしまう。表をつくるとどうしてもやはり裏が出来てしまうからか、何だか手付かずの場所が残っていた。


珍しく人間の写真。事務所の同僚と:)


「裏」の雰囲気が漂ってしまうTURNER CONTEMPORARYの北東側。敷地外なのだったら仕方ないのかも。