今週の仕事を終え、TATE BRITAINへ

6月3日。
快晴、昨日よりも記録的な快晴。天気がよければ、気分がいいし仕事も進む。更には金曜日であるし。ランチをカムデンマーケットですませ、炭酸とチップスを買ってリージェンツパークで休憩。今年一番、最高の休憩となる。風が吹いているせいで花粉が飛んではいるものの、暖かく心地よい。ロンドン中の人々にとって今日はもはや週末の一部である。というか毎週であるけれども。

18時過ぎ事務所を出発。TATE BRITAINへ。
毎月第一金曜日、TATE系は22時迄オープンし、色んな特別なイベントを開催している。今回は特別イベントが目的ではなく、同僚がいいよとすすめてくれた特別展に行って来た。JAMES STIRLING: NOTES FROM THE ARCHIVE / ジェームズ・スターリン グ:アーカイブのノートより。ジェームズ・スターリングが生前に残したスケッチやノート、図面、メモなどを展示した企画展示だった。

多くの図面上でピラネージのエッチングルイス・カーンのドミニカン・マザーハウスのような純粋幾何学がちらばっており、それらが何かが溶けてできた様な有機的な曲線によって結びつけられていた。色や形態、その他の要素からポストモダニズムの匂いする。代表的なレスター大学エンジニアリングの建物のアクソメスケッチや模型等がずらりと並ぶ。それにしてもアーカイブからのノートという縛りでの展示なので、そこまで大々的な回顧展という訳では無さそうだった。展示ルームは3部屋。閲覧者3名程。入場料無料。


ターナーが並ぶ回廊を抜けると、スターリング展。


普段この部屋はターナーの絵画で満たされている。

ジェームズ・スターリング、学生時代の作品がたくさん並んでおり目を引いた。彼が24歳頃の作品で題名は「HOUSE FOR THE ARCHITECT / 建築家のための住宅」。小さな模型と、その模型を働いていたニューヨークから課題提出の為にリバプール大学建築学部に郵送する為の箱が展示されていた。(学生といっても、ニューヨークで働きながら、リバプール大学の学生をしていたようだ。)この模型の説明書きには「マサチューセッツとニューヨークのウォルター・グロピウスやマルセルブロイヤー、ポール・ルドルフのフロリダの住宅、カリフォルニアのチャールズ・イームズとラルフ・ラプソンのケーススタディーハウスに影響された。」と書かれている。ちなみにピロティーで持ち上がっているので、きっとコルビジェも混ざっている。確かに全部混ざった様な感じだった。箱の上には「FRAGILE, KEEP LID UPPERMOST / 取り扱い注意、この面を上に」みたいな事がかかれていた。


スターリング、学生時代の住宅の模型


模型の箱


もう1つ学生時代の図面で、コミュニティーセンター。

もう1つ興味珍しかったもの。ジェームズ・スターリングが15歳の頃に作成した「BIRD-WATCHING NOTEBOOK / 鳥観察ノート」。生涯掛けて鳥には興味を持ち続けていたそうだ。写真のノートは動物学(博物学か?)アソシエイションのメンバーだった頃に作成したものらしい。丁寧に写真が貼られ、その横には説明が添えられていた。

金曜日の夜にジェームズ・スターリングの図面を見に来る人なんていないから、とても自由に好き勝手に鑑賞できた。

1500−1800年代のクラシカルな絵画、特に人物のポートレートがメインの展示物になっている部屋が薄暗くなっていった。そこにはDJがいて、ガンガンにダンスミュージックが流れていた。何か食べている人もいる。ちなみにこの部屋には日本でも有名なサー・エヴァレット・ミレーのオフィーリアやJ・W・ウォーターハウスのレディー・オブ・シャロットなど、そうそうたる絵画が展示されている部屋だ。そんな所で、DJ、食べ物、お酒を配ってダンスホールにしてしまえというTATE BRITAIN、しかも無料、、はすごい。日本ではきっとできない、写真やスケッチですらお断りなのだからな。

そうそうたる絵画の中で撮影。