地震情報をえる。頑張って欲しい、日本。

朝、気持ちが高ぶっているのか目が早く覚める。
USTREAMを開き、NHK、TBS、BBCなどラップトップの能力が許す限りのウィンドウを使って日本の状況を把握しようとした。現在ブロードキャストされているライブ映像に並んで更新されているTWITTERには継続的に地震情報に関するツィートがアップされている。信用できる情報がどれなのかどうか疑わしいが、NTTの回線が不通、つながりにくい状態である現地ではインターネット経由での情報発信・受信が、有効である可能性が高いようだ。 TWITTERには具体的な孤立者の情報がもの凄いスピードで更新されている。「(拡散希望)、だれ(人名)がどこ(住所)でどういう状態でいる、救助求む」などの情報が驚異的なスピードでアップロードされている。ただ上空からの映像から推測できる限り、被災地における場所の特定や瞬時の救助作業は難しいと想像ができる。また、海外からも多くの救助隊がやってくる予定だときくが、現段階において救助する人数がまだまだ足りていない様に思われる。300人の自衛隊員でさえも行方不明者である状況で、追いつかない状態なのだろう。

こちらロンドン、ヨーロッパの放送網も断絶的ではあるが、この地震津波に関しての情報を流している。ただBBCCBSでは日本のライブ映像では「福島原発1号基の爆発映像」をはじめ、かなり早い段階で繰り返し報道されていた。日本の映像と、こちらの映像を見比べるとこちらでは新しい物が入って来たら何でもすぐに放送している様に見えるのに対し、日本のは古いものの繰り返しを放送しているようだった。日本ではパニック防止対策、むやみに国民を不安にさせない為の報道規制がひかれているのではないかと推測する。政府もメディアにとっても、情報開示の内容とその開示のタイミングと方法が重要なのだろうと思う。NHKでは政治家が集まって「どうする予算案・関連法案」と題して、地震被災補正予算の算出どうするかという議論をライブ放送している。今リアルタイプでたくさんの被災者がいる状態で、適切な情報を流しているとは思えない。3万5000人のビュアーが猛批判している。

政治的に考えると、この状態では4月の統一地方選挙は恐らく延期され、菅直人内閣は継続せざるを得ないであろう。当たり前であるけれども、献金などの議論、内輪もめをしている場合ではない。これからどれくらいの期間かは想像できないが、国民の安全と信頼を得るために国は与野党協力して全力を挙げなければならないと思う。

映像を見る限り海岸沿いの多くは農地、その農地に海水が数キロ内陸に押し寄せてしまった。海水が引く時間、泥、ごみの処理など、そして塩害が懸念されるのではないか。土壌があれだけ海水に浸った場合、農地としてその土地が元に戻るのには相当時間かかるのではないだろうか。漁船は流され、海水はオイルで汚染されている様子だ。地域の漁業がもとに戻るのにも時間を要すると思われる。悲観的な見方しかできないが、地域の産業構造が劇的に変わるだろう。国はいかに被災地域の産業をバックアップしていくのだろうか。重要な問題だと思う。

建築が出来ることの可能性について考えている。僕が普段仕事としてやっている建築デザインがこの事態に何か貢献できるのか。全く情けなく思うが、貢献できる事は少ないと思う。人の命を守るシェルターとしての建築という視点。暖かく快適な生活、そういう生活を実現する建築ではあるが、この様な天災においては無意味に近い。地震には耐えたとしても、津波という圧倒的な力に対しては無力である、しかもそういう危機的状況を常とした住宅の設計ではない。建築設計をする人間としてそういう視点を自分に導入しなければならないと強く思った。今被災地に必要なものはインフラ、食料、医療そしてその1つに最低限の生活が保証された安全な住宅があるだろう。映像を観ていて僕自身が感じている憤りは自分自身が今日本にいないという状況、そしてそのある意味欠乏していた建築的視点に自分が気がつかなかった事、もしかしたら意識的に避けていたのではないかという自分に対する疑心からだと思う。日本にいたとしても何かできることがあるか、、といったら実に少ない様に思われる。すでにテレビを通して呼びかけている様に、最低限「節電」であろうか。あるいはTWITTERなどで無闇に暴言を吐かない、曖昧な情報は流さない、などが思い浮かぶ。 

夕方過ぎ、稲門会の幹事長宅にて他の幹事の送別会があったので出席した。出席者皆の家族は無事であったそうだ。何か出来る事はないか、そういう議論をした結果、この会で早急に銀行口座を解説し、義援金を集める事になった。僕も募金した。かなり沢山のメンバーがいるこの会だと集まる義援金もきっと意味あるものになると思う。今月の幾つかのイベントで義援金を集めることになると思う。