東京にて

28日の日記を29日の夜に更新しております。
ブログを書く時間があるのならば、その時間でさえも日本を満喫する時間に充てたいという本音が巻き起こした事態であります。1分1秒でも日本にいる事を自覚する事、それが身体・精神の回復に直結している今日この頃であります。「次はぁ、自由が丘ぁ、自由が丘ぁ、、、開くドアにご注意、、電車が急停車いたします。ご注意くだ、、、、電車がおくれております、、、申し訳ござ、、」「レシートはよろしかったですか」etc、、、こんな日本的アナウンス、返答を聞いているだけで癒しになる。

28日早朝、京都にて目覚める。電車を乗り継いで京都駅へ、そして新幹線。左に琵琶湖を眺めながら、右手に田んぼの風景が広がる、いつの間にやら建物が林立し始め名古屋へ。快晴の空、富士山、そしてその裾に広がる律儀に並んだ茶畑。拝みたくなる風景であった。変なのかな富士山が神々しいと思うのは。。と半信半疑になる。新幹線のアナウンス、スピード、揺れ、カーブでの車体の傾き、すべて100点満点。乗りたくないな英国の電車。ヒースロー空港に行く迄のタクシーはエンジン停止するし。

28日昼、4年ぶりくらいだろうか、久しぶりに石山修武研究室に顔を出した。僕がいた頃と変わらない空気感。なんだか緊張もしたが、安心もした。石山さんに近況報告。石山さんもお変わりないようで良かった。「身体の方は大丈夫なのか」と3回も聞いてくださった。きっと病的に見えたんだろうな。家族に病人みたいやなぁと言われたからそうなのだ。秘書の太田さん、助教になられた渡辺さんにもご挨拶。ついでに来月から開催される石山さんのバウハウスでの展示会エスキスにも、何故か参加。こうしたらいいかもですね、といくつかのコメントを残した。太田さん、渡辺さん、学生のみんなにも近況報告と情報交換。N棟8階、その窓から東京の景色を眺めると、なんだか焦慮に駆られた。ロンドンのスピードと日本のスピードは違う。日本の方が圧倒的に速くそのスピードは風景の変化として現れている。日本の同級達はこのスピードの中で建築に関わっている。僕は何だか停止していたかのような、置き去りを喰らった様な印象をうける。「まだ帰ってこなくていいぞ」と石山さんはおっしゃっていた。僕もまあ辛いがまだしばらくは離れない様にしたい。

夕方本郷3丁目LAB-CAFE。講演会:「建築とコンピュテーション、可変で様相的な建築について」。コンペ案のプレゼンテーション。その後shari3メンバーの個人的なプレゼンテーションも。僕も2、30分程しゃべった。沢山の方々にご来場いただいた事、この場を借りて御礼申し上げます。夜遅くまで。

今テレビで「変わる世界と日本」という番組が流れている。その中で「世界における日本の立場は?」という問いに対して世論は大多数が「重要視されていない」と答えていた。まさにその通りだ。だけど僕は「完全に無視されている」に1票投じたい。でもやはり母国であるし、身体的・精神的安定を求めたいので帰国はしたいな。富士山はその心のベクトルを象徴した1つかな。