THE SURREAL HOUSE展滑り込みセーフ

手帳を見返していると、今日日曜日のスケジュールに何やら走り書きがしてあった。"THE SURREAL HOUSE"。なんだこりゃと思い返すと、バービカンで行われている展覧会名であるのを思い出した。今日が最終日なのだった。
これはいかなければと思って昼過ぎに思い立ってバービカンに急ぐ。結論からいえば、久しぶりにいい展覧会に当たった。簡潔に言えば「シュールレアリスムが建築に与えた重要性について光を当てた初めての展覧会」なのであった。思っていた以上に会場は広く、全体は小さな箱上の家 / Maison (と定義されていた)がいくつか配列されてできている。各々の家にはテーマが与えられ、そのテーマに沿った作品が並べられていた。テーマには例えば、「HAUNTED HOUSE / 幽霊屋敷」や「BEYOND GEOMETRY / 幾何学のかなた」、「PORTABLE HOUSE / ポータブル・ハウス」、「FEMME MAISON / 女性の家」などがあった。
想像以上にたくさんの展示品があった。フロイトの体のコンタにフィットする様に作られたという若干奇妙なイスや、仏像が並ぶスタディの写真。アンドレ・ブレトンのアフリカ系の彫刻が並んだアパートメントの映像。ちょうど今、河合隼雄著の「無意識の構造」を読んでいるところでフロイトのマンダラの話がでてきているので、成る程この机でマンダラのスケッチをしてたんだなあ、、と丁度いい資料になった。絵画では定番のダリ、マグリット、キリコや、フランシス・ベーコン、イブ・タンジェとか。建築からは映像を通して、カサ・マラパルテ、OMAのビラダラバ。模型はヒンメルブラウやフレデリック・キースラー、またナチの司令部として使用され、干し草の倉庫になり、戦後放置され続けていた頃のサヴォワ邸の廃墟写真、マッタークラークの切り刻んだ家。良い忘れたが会場の最初のイントロでは勿論デュシャンの作品が並べられていた。沢山見すぎて満腹状態だ。

展示会の本は分厚く、展示物のイメージは全部掲載されているし文章も多い。内容が濃いわりに安かった(最終日だからか。)ので迷わず購入した。良い資料になると思う。それにしてもバービカンの建築系の展覧会はいつも壮大だ。アールト、コルビジェ、ロン・アラッドときて、これが来ている。次回の企画に期待。